もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

『静かにグラグラしている。』(吉本由美、喜多直毅)@木場・EARTH+GALLERY

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舞台装置としては、奥に一人掛けソファ、その左に大人の胸くらいの高さの扇風機1台、床に細長い板が5本。これはコードで電源と繋がっていて、スイッチでその板全体が光ったり消えたりする。
左手にパーテーションがあり、その向こうからエレベーターに乗ってヴァイオリニストが即興演奏しながら近づいて来るような音。が、直毅さんが右手の階段を登って来る姿が見えた。あ、最初のは録音だったのかな。
初めソファにいた吉本さんが、パーテーションの向こうに入る。会場内の照明は暗い。ふと、気が付くと私の左後ろに少し接触するほど近く吉本さんがひっそりと進んで来ていた。観客の間を通ってステージ部分に出るのだろう。…と、私の右隣の男性が彼女に驚いて、ビックリした!と立ち上がっていた。ここが一番インパクトがあって、おかしかった。偶然発生した笑い。
その後も、言葉は無くていろいろな身体表現の連続。約一時間。最後に吉本さんが小さめの黒板に何か書き、写真を撮って終了。
とてもおもしろかった。本当に。
事前にどこまで動きを決めているのかな?
あ、それと、ヴァイオリンの弓(の手前側)を弦に垂直に細かく当てて鳴らすあの音、あれを文字にすると何だろ。
コトコト、トクトク、カタカタ、ツクツク….違う。もっと小さい音、繊細で柔らかいのだ。
客席の背後を、そのヴァイオリンの音がゆっくり動いて行くのを感じるのは、とても心地よかった。

9月27日
吉本由美 (ダンス、ほか)
喜多直毅 (ヴァイオリン、ほか)