もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅ヴァイオリン独奏@キッド・アイラック・アート・ホール 

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フライヤー
3月7日
喜多直毅 (ヴァイオリン)

1stセット
即興演奏。
20分くらい。
後半だったか、駒の手前をこすって、鳥が鳴くようなきれいな音。
本当に美しい。
右手で持った弓は固定し、ヴァイオリンのボディを左手だけで(顎や肩から離して)動かして奏でるところもあった。
低音の弦のネジを緩めたり、つまんで持ち上げて弾いたり。
木の箱に弦を張り、馬のしっぽの毛を張った弓でこする。
まさに、その通り。

休憩
2ndセット
バッハのシャコンヌです。
J.S.BACH作曲“無伴奏ヴァイオリンの為のソナタとパルティータ”よりパルティータ第2番ニ短調BWV1004 5楽章シャコンヌ
前半、力強い!と思った。ゆとりさえ感じた。
後半は、戦って一度は敗れたけれど、また立ち上がって進んで行くイメージを私は受けました。
人生は何度でもやり直せる、なんて書くと、あまりに陳腐かもしれないけれど、そうなんですよね。
最終地点に向かって高揚して行って、最後は落ち着いて終わり。
良かったです!

ところが、湿度と1stでネジを緩めた為に、ピッチが下がっていってしまったとヴァイオリ二スト氏は不満足なのです。悔しいのです、もう一回やることを決断するくらいに。

で、シャコンヌ前半のみやり直し演奏。
これは、あまり無い事態ですね。
(思い出してみると、私、2回は遭遇してました。某チェリストと某笛奏者。チェリストさんは酔ってテンポについて行けなかった為?笛奏者さんは譜面を上下逆さのまま演奏し始め、暗譜も限界になった為。いずれもライブハウスでのクラシック曲でした。)
気をとり直して演奏した精神力は素晴らしい!
…でも、私は一回目で充分良かったですよ。
直毅さんのバッハ無伴奏曲は、私たぶん全回聴いています。
曲が終わってからMCで、「また、やります」とキッパリ宣言してらしたのが頼もしく思いました。


※3月11日追記
即興演奏の前半部分の音源がアップされています。
Naoki Kita Violin Improvisation at Kid Ailack Art Hall
https://www.youtube.com/watch?v=Ol1N3itSDC0