もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

VIOLIN MONOLOGUE 喜多直毅ヴァイオリン独奏@レソノサウンド

土曜の午後2時からのコンサート。
暖かい雰囲気の会場。(ヨーロッパの伝統楽器ニッケルハルパを普及する為、練習場所やコンサート会場にしているスペースだそうです。)
そこに、何かが憑いたような、ヴァイオリニスト「喜多直毅」でした。
特に1stセットの即興演奏は、もう、逃げられない、という感触。
音の生まれるポイント、弦と弓の毛や指が触れる瞬間を凝視するしかない時間が過ぎ、アンコールは明るくて、少しホッとして聴きました。
喜多直毅3daysは明日に続きます。

10月15日
喜多直毅 (ヴァイオリン、朗読)

01. 即興演奏
じっと聴き、じっと見つめる事をためらう理性は捨てるしかないです。こういう演奏に触れた時には。
時に足を踏み鳴らし、弓を振り、左手で強く弦をはじくアクセントは、とても力強い。
そして、静かな美しい流れにつながって行きます。
ずっと聴いていたいけれど、タイミングも大切で、20分くらいでした。
休憩
( この時間に、オーナーの方がニッケルハルパの説明をして下さいました。)

02. ランマー・バーダー・ヤタサンナ (アラブ曲)
2ndセットは靴を脱いで演奏。
アラブ世界で有名な歌の曲。私も大好きです。
前回、常味裕司さんとのデュオで演奏されたと勘違いしてしまいました。すみません。耳に旋律が残っていたのは、常味さんと鬼怒無月さんのデュオの演奏だったのです。
03. 主よ、人の望みの喜びよ (バッハ)
バッハをやります。と告げて演奏開始。最後にタイトルは仰ったけれど、バッハの主題に基づいた直毅さんの音楽という感じでしたね。無伴奏ヴァイオリンパルティータの「ロンド風ガヴォット」が何度か出て来ました。
04. 永訣の朝 (詩・宮沢賢治)
弦にクリップをいくつか取り付けて、まず水琴窟のような音を鳴らし、岩手の言葉も入れて朗読です。
もちろん弓で弦を弾くところもあり。
賢治の妹が病気で亡くなる時の詩です。
私は少し自分が苦しくなりました。そういう時は、無理に拍手はしません。
05. 暗い日曜日
最後の一音は、彼女がナイフかピストルで自死する光景か。
06. 遠くへ行きたい
アンコール;Chorinho para ele (Hermeto Pascoal)
パスコアールのこの曲は、技巧的にも楽しいし、明るいですね。