もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅×Pearl Alexander@ムリウイ

一番最初の直毅さんのヴァイオリンの音を聞いた時、私はこの音に飢えていたんだなぁと思った。
全て即興演奏で、デュオ1本、喜多直毅ソロ、パール・アレキサンダーソロ、デュオをもう1本。やや短めに。
10分17秒の喜多直毅ソロ、私の好きな音が詰まっていた!


8月21日
喜多直毅(ヴァイオリン、ほか)
Pearl Alexander(コントラバス)


下北沢で井の頭線から小田急線に乗り換える時、地震の6日後の3月17日、ここで入場制限していた事を思い出す。行ける所まで無理せず行こうと心に決め、念の為懐中電灯をバッグに入れてムリウイまで行ったのでした。


01. 即興1 (デュオ)
コレを待っていた、私にはこの音が必要なんだとつくづく思った。鳴りが悪いと休憩時間にヴァイオリンの駒を調整なさってましたが、私はすごく好きだな。
ロンドンで購入した菜箸も使ってました。
パールさんは狂った感じにはならない人で、クール。澄まして「変な事」もやる。前半はずっと弓でした。美しい音。
直毅さん、汽笛ぶえも吹く。結構大きい音量で、能管のヒシギのようでもあった。
ヴァイオリンを床に置いて2本の弓で弾き始めると、パールさんもコントラバスを寝かせて弾くのがごく当たり前の光景で楽しかった。
短めに終了。40分弱かな?
休憩


02. 即興2 (喜多直毅ソロ)
タイマーで計っていました。10分17秒。
椅子じゃなくて床に正座して、段々歪んだり、ねじれた姿勢になって、膝立ちになったり、立ったりしながら演奏します。
空気が鋭い。でも、この人このまま死ぬんじゃないかという心配は無い感じ。ドップリ、キッチリ喜多直毅にツカリナガラ、根本は楽しい。
弓と弦が接するところを凝視してしまう。美味しい飲み物をゴクゴク飲むのに似ている。
リウイの床は演奏スペースだけもう1枚板があって、足を鳴らすのがよく響いて気持ちよかった。
03. 即興3 (Pearl Alexander ソロ)
とても気持ちが良い音をしばらく長く伸ばす。やがてピチカートしたり、棒で弾いたりも。
04. 即興4 (デュオ)
ヴァイオリンとコントラバスなのですが、音域の高低が入れ替わったりもします。
パールさん、ここでは少し声も出していた。あくまでも美しい声。かたや直毅さんは押しつぶしたような声も出して行く。
8時半前には終了。でも足りない感じでなく、清々しかった。
ありがとうございました!