もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅ヴァイオリン独奏@キッド・アイラック・アート・ホール 3階ギャラリー

5月10日
喜多直毅(ヴァイオリン)


ホール入り口のベンチで日傘を畳んでいると、3階から直毅さんと、齋藤徹さんに「もう入れますよ」と声をかけていただきました。
(徹さんは今日は録音役として機材を持って参加だそうです。)
3階のギャラリーに行くのは初めてです。
1階よりも床面積は小さいけれど、天井が高くて音がとても響きます。
客席は3階の平面に椅子、内階段にも座れて、吹き抜けになってつながっている4階部分にも席があったようです。


時間になり、譜面台2本に譜面を広げて始まりました。
告知とは変更になり、ピアソラは本編ではやらず。MCなしで、シャコンヌの前までは曲間に即興演奏があり続けて行きます。
01. 春(喜多直毅作曲)
シャコンヌを先にやるのか、最後にやるのか、初めの一音を聴いてわかりました。これは「春」だ。シャコンヌで今日は終わるんだ。
そのシャコンヌまでどういう展開になるのか、固唾を飲んで、ジッと聴きました。緊張しすぎるのは良くないかもしれませんが、集中して聴くのは、快感でもありますね。
02. 長めの即興演奏
03. 死人(喜多直毅作曲)
04. ROCHBERGのカプリースの中のどれか(No.35かな?)
ジョージ・ロックバーグはアメリカの作曲家で、パガニーニカプリースのテーマを原曲とした変奏曲集が収録されたアルバム『ア・パガニーニ』(演奏:ギドン・クレーメル)は私の(準)愛聴盤です。
久し振りに直毅さんの演奏で聴くことが出来て嬉しい。
05. Women's Dance (Milcho Leviev作曲)
5拍子が心地よい。
06. Sombre Dimanche 暗い日曜日
(05.と06.は逆だったかも)
強いところは随分強いなぁ、場所のせいかな…と思っていましたが、終演後に「今日はガット弦ではありません」と他のお客さんに話しておられました。
なるほど。
曲を演奏していますが、様々な奏法で(楽器の持ち方もいろいろで)、止まったり、進んだり、歌ったり、元にもう一度戻ったり。


07. Chaconne (J.S.Bach作曲 BWV1004)
少し譜面を整理して、いよいよシャコンヌです。
クラシックの演奏家ではない喜多直毅さんが、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ、BWV1001から1006を順に演奏する、というシリーズは2009年5月から始まって2011年1月で一巡しています。その後2回くらい演奏なさったかと思います。
今日のシャコンヌは、"一度死んだ人が再び生まれた"というイメージを持ちました。(そうか!「よみがえりの花」なのかもしれません。)
焦らずに、テンポ落とすところは落として、真っ直ぐに弾いてらした。
肩当てを使用しなくなって、まだフォームが安定せず大変だったそうですが、“…恐らく秋頃にまたやりたいと思います! ”と既にツイートされてます。
私も聴きに行きたいです。いろいろなことが巡って、うまくいきますように!


アンコール;オブリビオン
告知したのに本編ではやらなかったので、と、1曲ピアソラ
ちょうど60分くらい。本当に濃密な時間でした。笑顔で終了。


※この日の喜多直毅さんのViolin Diaryはこちら↓
http://nkitavln.blogspot.jp/2015/05/blog-post.html