もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

黒田京子トリオ(黒田京子、喜多直毅、翠川敬基)@公園通りクラシックス

一つ目が即興演奏で、3者のバランスがバッチリな上に喜多直毅vlnが猛烈に良くて、「ずっと即興なら良いな、これが一番好き!」とその時は思ったのです。
でも、次の次に「waltz step」(富樫雅彦作曲)。
ヴァイオリン、チェロと歌う。崇高に美しい!そして最後のピアノの旋律で、トドメを刺され、落とされました。
自分のなかで、やっと、この黒田京子トリオがO.Kになったライヴでした。


2部の即興も喜多直毅の箸投げを始め、口を開け放しでヨダレが垂れそうになるほど、好きです!
チェロは究極に美しいし。


8月4日
黒田京子トリオ
黒田京子(ピアノ)
喜多直毅(ヴァイオリン)
翠川敬基(チェロ)


01.  即興1
左から、喜多、翠川、黒田の並び。
まず即興演奏から。ヴァイオリニストがf字孔に強く息を入れて演奏開始。
すごく良い!


前回(5月13日)は何となく喜多さんが黒田さん寄りになっている気がしたんです。
でも、今夜は3人が正三角形だったような。いや、演奏中ずっと正三角形という訳でもないか。
とにかく、良かったです。
音はナマ音でした。
ヴァイオリニストは魂柱や箸を使っていろいろな音を出します。弓でボディを擦って出す音がこんなに美しく、こんなに心惹かれるとは!そうそう、ブンっと弓を振って音も作っていました。
もちろん弓で弦を弾く音が美しくてカッコ良くて面白いし、好き。
ずっと即興でやってくれないかなぁとこの時は確かにそう思いました。
ところで…即興なので「ここで終わり」と譜面には書いていません。「さ、これで終わりですよね」という意思表示を楽器を抱えて表した喜多さんが印象的でした。
02.  ヴォイス・フロム・ヨンダー (富樫雅彦作曲)
声、から始まりました。黒田さんの声、喜多さんの声。喜多さんは息、という部分もあった。
息の長さ比べを密かにやってしまいました。負けました。元ブラバン部員としては、悔しい(笑)


03.  waltz step (富樫雅彦作曲)
2010年2月28日の黒田京子トリオ(黒田京子、太田恵資、翠川敬基)散開ライヴのアンコールでもこの曲をやったんです。今、この(新生)黒田京子トリオで同じ曲が演奏されている。そういう背景の影響もあり、胸がいっぱいになる。
ストレートに旋律を奏でる直毅さんは本当に美しい。続く翠川さんももちろん。
展開部があって、最後にピアノで演奏されてしまうと、まさに撃墜状態になってしまいました。
04.  スケッチ2〜スケッチ3 (富樫雅彦作曲)
前の曲への気持ちがたっぷり残っているので、最初の方はあまりしっかりとは聞けませんでした。
でも、これもすごく良かった。


休憩
05.  valencia (富樫雅彦作曲)
アラビックなヴァイオリンも有り。菜箸で弦を打って旋律を奏でたところも有り。
最後、「終わりの部分」に入ってからが結構長かった。長くて悪いこともないのですが、翠川さんが短めに終わりにせず、次に進んで行くのはちょっと意外でした。
チェロの音色がほんっとうに美しい!
これを聞かないで生涯を終える人はお気の毒ですね。
06.  WONDER BIRD (富樫雅彦作曲)
タイトルはたぶんこれで合っていると思います。
ニゾンでちょっと忙しいフレーズをやる曲。
直毅さんが足を踏み鳴らして終わった。
07.  ?
「基本はフリーで、弾きたかったら(譜面を)弾いてもいい」ということで譜面台には譜面がありました。弾いたのか弾かなかったのかわかりません。
ここで箸を投げてた直毅さん。月曜の「晴れ豆」の床ではあまり響きませんでしたが、今夜は良い具合に響いてました。楽器をを床に置いて、正座して両手に弓で弾いてもいた。
こういう本来の奏法ではない事は、人と場合によって全く詰まらないと思いますが、これはおもしろい。
08.  雪の下には緑 (黒田京子作曲)
一つだけ、バンマスである黒田さんの曲。


フライヤーが配布されただけでお話はありませんでしたが、次回ライヴは9月4日(日)新宿PIT INNですね。もちろん既に予約してあります!