もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅クアルテット(喜多直毅、北村聡、三枝伸太郎、田辺和弘)『呪詛』@テルプシコール

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フライヤー
私にとって一番の特別なユニットが喜多直毅クアルテットです。
毎回のコンサートに「沈黙と咆哮の音楽ドラマ」という言葉が添えられ、その回のタイトルもあります。(今回は、呪詛)
まさに『沈黙』と『咆哮』なのです。
喜多直毅さんは、軽妙洒脱なMCも得意な方ですが、このユニットはMCなし。約1時間。
金縛りというと言い過ぎですが、客席で聴いていると、すごい力で引きつけられてしまいます。曲と曲の間に、ごく短くひと息入れられることもありますが。
今回は『峻嶺』の中間部と一番最後のところで、大きな塊に襲われた気分になりました。泣きそうでした。
人間って、こんな素晴らしい音楽を作り、演奏することが出来るのだなぁ。
深くて暗い穴に落ちても、また、空の高いところまで昇って行くことが出来る。
自分は落ちてしまうことが多いけれど、直毅さんの音楽に接して、感じることが沢山あります。生きていかなきゃ、ね。

本編の後、いくつかの告知( 次回公演は、8月11日(土)、12日(日)15時、渋谷・公園通りクラシックスにて、等)があり、3.11大震災の当日でもあるので、と、アンコール曲がありました。この曲は震災より前に書いたのだけれど、ある人に震災のことを書いたのですか?と聞かれたそうです。『ふるさと』でした。良い曲です。

3月11日
喜多直毅クアルテット
喜多直毅 (音楽、ヴァイオリン)
北村聡 (バンドネオン)
三枝伸太郎 (ピアノ)
田辺和弘 (コントラバス)

お客さんが大勢でした。開場待ちの長い列が通行人に注目されていました。入口前にスペースはなくて結構クルマが通る細い道路だった為、1列にしか並べなかったので。
奥に横向きにグランドピアノ(三枝伸太郎さん)、前に、左から、喜多直毅さん、北村聡さん(立奏)、田辺和弘さんという並びでした。
01. 月と星のシンフォニー(部分)
02. 焦土
03. さすらい人
配布されたプログラムにはタイトルのみ記載されていましたが、この旋律は初めて聴いた気がします。記憶力には全く自信ありませんが。どうでしょう?
04. 疾走歌
05. 孤独
これは前回公演(2017年10月)が初演の曲ですね。
06. 昭和 (泥の川)
「昭和」も前回初演の曲ですが、自分の持っていたイメージとはかなり変わっていて、戦時下の硬直した世相を連想しました。「昭和」のなかに「泥の川」が入った構成だったと思います。
07. 峻嶺
譜面をめくって床に落とすのを見ていると、もうすぐ終わるのが何となくわかります。あっという間に時間がたちますね。
アンコール: ふるさと

*追記
「さすらい人」は新曲だそうです。直毅さんの演奏後記に書いてありました。
Violin Diary (3月13日付け)
http://nkitavln.blogspot.com/2018/03/blog-post.html