もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

HERITAGE~Playing 齋藤徹~@公園通りクラシックス 

HERITAGEとは、「遺産。継承物。また、伝統。伝承。」という意味だそうです。昨年5月に亡くなられた齋藤徹氏の作品を演奏する会でした。

第一部は3人で器楽曲。主に黒田さんが曲と曲の間をつなぎ、続けて45分くらいの演奏でした。私がわかったのは「浸水の森 ミュゼット」「風の踊り」。左から喜多さん、翠川さん、黒田さんという並び。私が齋藤徹さんを強く意識して生演奏を聴いたのは2009年の5月が最初なので、それ以前の曲も演奏もよく知りません。なので、このお三方(いわゆる”第二次黒田京子トリオ”のメンバー)が即興を交えながら演奏するのを聴けたのが、何より嬉しかった。弦の響きが豊かで激しくて繊細で。黒田さん、内部奏法やいくつかの小さな打楽器も使用されていました。つまらないところが全くない。ずっと聴いていたかったです。

第二部は、松本さんが入って歌曲でした。1曲目がアンゲロプロス監督の映画『エレニの旅』のセリフ(訳・池澤夏樹)に曲をつけた「河の始まり」、アンコールに同監督の映画『霧の中の風景』より同タイトル曲。『オペリータ・うたをさがして』より「石のように」(詩・乾千恵)。詩・渡辺洋「ふりかえるまなざし」が特に心に響きました。ほとんどMCなしで進行したのですが、最後に各奏者が、徹さんとの共演歴やエピソードを長くなく話して下さったのも良かったです。

 

10月18日

喜多直毅 (ヴァイオリン)

翠川敬基 (チェロ)

黒田京子 (ピアノ、ほか)

松本泰子 (うた)(第二部のみ)