もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅&黒田京子デュオ@グレコ 

2階の小さなバー・スペースでのライヴでした。
至近距離で黒田京子さんの手もとを見るのは実際楽しい。
長いキャリアのデュオです。事前の打合せも勿論あるでしょうけれど、横向きでも後ろ向きでも、その瞬間のお互いの音と気配から、次に相手が出したい音がほぼ全てわかるのでは?と思うくらい。
直毅さんが「板橋区」(自分で決めたこのタイトルが今は恥ずかしくなって、変えたいそうです)という曲のイメージとして、戦前のスラム街のことを話すと、いつもとは相当違う雰囲気のピアノから始まる。受け取ったボールを投げ返すセンスと、それを可能にする技量ですよね。
あまりに近い、というヴァイオリニスト氏のMCがあったので、2ndセットはあまり直視しないようにして、じっと聴いていました。
私が一番好きな音楽を奏でる人ですから。
「ゼフィルス」での沢山の即興、「黒いカマキリ」で敢えて外れた音で弾くセンス、何より美しい王道の旋律と音色…などなど。

次回のデュオは、12月14日に神保町・試聴室ですね。「1時間一本勝負になるかも?」とホームページに記載されていて、楽しみが増します。『軋む音』シリーズに近い感じでしょうか?

11月24日
喜多直毅 (ヴァイオリン)
黒田京子 (ピアノ)

デュオでこのお店に出演するのは久しぶりとのこと。私は2007年1月に行ったこと覚えてます。その日自分が一人目の観客でとても緊張したのです。
01. ゼフィルス (黒田京子作曲)
始まって結構長く即興でした。ここからどの曲に入って行くか(板橋区、かなと思った)いろいろ考えたけれど予想ははずれました。でも、すごく好き。いわゆる完全即興とは異なる感じで、自由に遊んでいるようでいて、お二人のニュアンスが合っている。
02. 忘れな草をあなたに (江口浩司作曲)
03. 板橋区 (喜多直毅作曲) 
04. I Girasoli ひまわり (Henry Mancini)
休憩

05. 中世の曲 (作者不詳)
シャリバリ、と呼んでいるあの曲です。
06. タイトル未定 (黒田京子作曲、初演)
ドキュメンタリー映画関係の曲だそうです。
07. 黒いカマキリ Una Santateresa Negra (喜多直毅作曲)
08. Zuravli 鶴 (ガムザトフ作詞、Y.フレンケリ作曲)
直毅さんが詩を朗読し、黒田さんがピアノを奏で寄り添って始まりました。
09. ホルトノキ (黒田京子作曲)
中間部で全く別の旋律、リズムで曲のように展開していました。お二人の頭の中が見てみたい。
アンコール; My Wild Irish Rose (アイルランドトラッド曲)