もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅クァルテット@広島流川教会

天井の高い教会で聴く喜多直毅クァルテットは、また格別に美しかった。
ラスト一つ前の「峻嶺」の中で、ヴァイオリン、バンドネオンコントラバスも高音域で長く音を伸ばし、やがてピアノが入って来るあたりから涙腺が緩む。
最後は「残された空」で思い切り心を揺さぶられて、終わってから抜けがら状態になりました。
東京以外での3公演。初めて聴いた人が大半だったと思うけれど、受け入れられた感じがあって、それも嬉しい。

5月29日
喜多直毅クァルテット
喜多直毅 (音楽、ヴァイオリン)
北村聡 (バンドネオン)
三枝伸太郎 (ピアノ)
田辺和弘 (コントラバス)

01. 鉄条網のテーマ
02. 燃える村
03. 疾走歌
04. 峻嶺
05. 残された空

ピアノはBECHSTEIN。どのあたりの席に座るかと音響の関係は、私にはよくわかりません。最前列で聴いてピアノが一番沁みて来たのは今回でした。
ツアー2公演で弓の毛が結構切れたせいか、直毅さんは弓2本持って登場。いつもと違う方の弓で弾き始めて、最後まで全く切れなかったように見えました。弓の木の端で弦をハジく時があったような、構えただけでやらなかったような。もう記憶が曖昧です。
直毅さんのいわゆる特殊奏法、タイミングと内容が私の好みとピッタリなんです。
それ以上に音色そのものが好き。
田辺さんの激しいソロも、たっぷりコントラバスで歌うのも大好きだし、素晴らしいと思う。火曜日は大阪てソロライヴがありますが、私は神戸で"喜多直毅4days "です。
北村さん、ツアー初日と最終日は立奏でした。いつも爽やかな表情で美しく超絶な演奏をなさいますが、立奏だと体力を多く使うため、ちょっと顔つきも変わります。レアです。
4人ともいろいろな分野、いろいろ編成で演奏活動していて、これは '喜多直毅' クァルテットですが、全員で作り上げている感じが増したように思います。
次回は6月10日、本郷・求道会館。とてもとても楽しみ。