もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

常味裕司アラブ音楽楽団『ファルハ』、最高です!@音や金時

日々は連続していますが、やはり区切りの気分になる年越しの時期です。
2009年最後のライヴ、ファルハ(アラビア語で"喜び")を満員の音や金時で聞いて来ました。


喜多さんの演奏が「切れまくって」も、決して飛び出して行かないのは、太田さんも負けずに切れているからかもしれません。
そして今回ヴァイオリン3本をすぐそばで聞いて、西田さんの素晴らしさがわかりました。彼女が支えているから他の二人が遊べる部分も大きいんじゃないでしょうか。


アドリブソロのない、長大な完全ユニゾン(ウード、ヴァイオリン3本、カーヌーン、コントラバスが同じ旋律を奏でます)の『バシュラフ・ラスト』が、地味だけど面白かった。


アンコールではウンム・カルスームの名曲『エンタ・オムリ』もありました!


Om Kolthoum - Enta Omri 1/6(6分割しないとおさまらない長い曲です)(音だけで動画はないのですが、途中でいったん引っ込んで(?)また最初からやっているようです。)
http://www.youtube.com/watch?v=hzRMbCuO_ts


心の底から楽しかった。
ありがとうございました。


12月30日
Farha
常味裕司(ウード)
太田恵資、喜多直毅、西田ひろみ(ヴァイオリン)
海沼正利(カーヌーン)、吉野弘志(コントラバス)、和田啓(レク)
ゲスト
松本泰子(うた)、永田充(ダルブッカ)、濱元智行(タール)


「年末のファルハは混む」という噂どおりの音や金時でした。ベリーダンサーらしきお客さんも大勢。
ヴァイオリニストが3人。ステージ向かって左から、西田ひろみ、喜多直毅、太田恵資。私は西田さんの真ん前の席でした。


01. Ibn El-Balad (Mohamed Abdelwahab作曲)
この曲は常味さんのソロアルバムに入っていて、ファルハでやるのは珍しい気がします。ファルハのライヴ自体がそうそう無いですからね。


02. Cleopatra クレオパトラ (Mohamed Abdelwahab作曲)〜
03. Al Nahr Al khalid 永遠なるナイル (Mohamed Abdelwahab作曲)
2曲続けて。確かクレオパトラの前にまず喜多さんのタクスィーム(即興独奏)があったと思います。味わい深いタクスィームでした。


04. Samaai Bayati
05. Bint El Balad (Mohamed Abdelwahab作曲)
ここは、カーヌーンのタクスィームと西田さんのタクスィームがありました。


06. Uch el Bolbol  ナイチンゲールの巣 (Mohamed Abdelwahab作曲)
太田タクスィーム。



とにかく、楽しいのです♪
アラビンディアの楽しさと共通します。だから、太田さんの魅力かもしれません。
喜多さん、(失礼ながら!)この方大丈夫かしら?と心配になるような顔つきですが、きっと大丈夫なのでしょう。演奏が良いから。そこ、ここで暴れて逸脱します。譜面に無いであろう装飾音を付けたり、突飛な音色で弾いたり。でも、太田さんもやるので一人だけ外れている感じがしません。そして、バンドとして決して崩壊しません。これは凄いことですよね。
休憩

07. バシュラフ・ラスト(トルコ古典曲)〜ウードタクスィーム
08. ランリーニ・シュワイエ・シュワイエ(ウンム・カルスームが1945年に歌った曲)
「バシュラフ・ラスト」はレク以外全員ほぼ同じ旋律を奏でています。これがねぇ、面白いのですよ!!!何というか、大河を見ているようです。絶対に退屈しない。快感です。
「ランリーニ・シュワイエ・シュワイエ」は松本さんが入ります。部分的に常味さんも歌ってました。これ覚えて一緒に歌いたいです。
ヴァイオリン3本が旋律ではなく洞窟のなかの残響のような感じでそれぞれ別のことを弾くところがあり、席が近いせいもあって、とても一体感がありました。ちょっと自分が聞いているのか弾いているのかわからなくなる感じです。(弾いてないのですが(笑))


09. Fi youm Wi Laila 一日にして (Mohamed Abdelwahab作曲)
大好きな曲です。しあわせな気分になります。
喜多さんがソロ的に弾くところがとっても良かった!
10. Kulli Da Kan leh 私の人生に起こった全てのこと (Mohamed Abdelwahab作曲)
これのソロは太田さん。喜多さんは最後の上昇音が良かった。
11. Longha Farafaza (Riad Sombati作曲)
ソロ回しあり。
喜多→海沼→西田→常味→太田→吉野→和田の順だったと思います。
和田さんがアクセント的に強く打って区切りを付けていたのですが、最初の喜多ソロは「えー?!もう切るの?」と私は思いました。狂った感じで少し行って、「一月一日」(年の始めの ためしとて)をちょっとやったらすぐ終わりでした。どこかで切らなきゃいけないのですがね。
ここだったかな、西田さんが面白く弾いていたのは。
太田さんは歌でした。


アンコール 1;Layali El Jazaier アルジェリアの夜 (Mohamed Abdelwahab作曲)
この曲のみ、永田さんと濱元さんが入ります。豪華でした。豪華ななかで、ウードだけになる部分があり(確か…)、メリハリがあってカッコ良い!
アンコール 2;Enta Omri (ウンム・カルスームが歌った有名な曲)
タイトル告げずに始まって、あれ、これ「エンタオムリ」だと思うけど松本さん出て来ないなぁと思っていると、一頻りインストでやってから前にいらっしゃいました。カルスームはそれこそ1時間以上やったそうですから。気が長いけれど、こうやってたっぷり楽しむのは貴重です。


音や金時の年末最終日にファルハのライヴをやるのは3年目だそうです。私は今年やっと行けました。
カレーも食べたし(笑)
思い残すことは何一つありません。