StringraphyLabo vol.13 (鈴木モモ、喜多直毅)@スタジオ・イヴ
フライヤーによると「Stringraphyとは、作曲家、水嶋一江が考案した、紙コップと絹糸でできたオリジナル楽器」だそうです。糸電話が沢山ある感じです。床と平行に数十本(両端は固定)、これは3方向に並んでいます。天井から吊るしてある糸が20本くらいかな。こちらも奏者が端を持って固定して音を鳴らします。まずおもしろいなぁと思ったのは、鈴木さんがこすったり、はじいたりする位置とはかなり離れたところにある紙コップから、"その"音が出ること。(私は昔遊んだ児童公園の遊具を思い出しました。)ふわーっとした風のような音色、パチンと強いアクセントのある音、そして会場内をどんどん移動しながら奏でるその姿も良かった。すべて即興演奏。
直毅さんも移動しながら演奏します。時には弓をくわえて弦をかき鳴らしたり、クリップをつけたり。また、立ち歩くだけでなく、ぎりぎり通れるくらいの位置にある糸の下をかがんでくぐりながら、匍匐前進しながら、また、仰向けになって腰を軸に回転しながら演奏していました。あえて、弾きにくい体勢をとって負荷をかけていたようでした。客席はクッションと椅子が3つ、真横(10cmくらい)でお二人がすれ違った時は少しずれて聴きました。
休憩を挟んで2セットの一番最後に、直毅さんが正座し『旅に病んで 夢は枯野をかけ巡る』と芭蕉の句を読んで終演でした。
世界にただ一つの楽器と喜多直毅さんとの共演、実におもしろかったです。終演後に少しお話してくださって、紙コップは新しいものより何回も演奏に使ったものの方が良い音が出るそうです。長いものは10年使っているとか。
7月14日
鈴木モモ (Stringraphy)
喜多直毅 (ヴァイオリン、身体表現)