もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

Bach Night(喜多直毅、翠川敬基、北村聡)@インエフ

ソロで、デュオで、トリオで、バッハの作品だけを演奏する会でした。


喜多直毅ソロは無伴奏ヴァイオリンソナタ1番。
やや歪んだ音から始まって、生身の人間が現れていた。
エネスコも「出てきた」。
ピアニシモはたとえようも無く美しい。全体として心臓を掴まれ、痛かった。
感情が高まり、ほんの少し泣いた。
3楽章の最後の一節は嬉しく幸福感に包まれた。
速いテンポの4楽章では、窓の向こうから救急車のサイレンが少し聞こえた。
むしろ嫌ではなかった。


この音がこの人そのものだと思います。
バッハ無伴奏曲の2巡目嬉しいです!


12月21日
喜多直毅(ヴァイオリン)
翠川敬基(チェロ)
北村聡(バンドネオン)


01. 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
(翠川)
「体調悪いので、もしかしたら途中で退席するかもしれません」と前置きして演奏開始でした。pppの音色に心を打たれました。すごく良い音!
目を閉じて、ただ音楽だけを聞きました。
02. フゲッタ ハ短調 BWV961 〜平均律クラヴィーア曲集より 第1巻 第1曲 プレリュード ハ長調 BWV846 〜 平均律 イ短調(?)
(北村)
北村さんのクラシック曲がもっと聞きたいなぁと思いました。
03. 無伴奏ヴァイオリンソナタ1番 BWV1001
(喜多)
この曲を演奏するのを何回か聞いているのですが、これが一番良かったです!
(自分の日記を読み返してみると、毎回そう書いてますね。)
(一番最初にグレコでやった時は私にとって実に「?」な演奏でした。)
ほとんど放心状態で休憩時間に突入しました。心臓もちょっと痛かった。(9割は気のせいです)
休憩


04. ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ第1番ト長調BWV1027
(翠川、北村)
あ、これ知ってる!と思いました。あとから調べてみると、4年前に翠川さんと渡部優美さん(ピアノ)で聞いたのでした。なじみのある曲はやっぱり楽しいのです。翠川さんの体調も回復してきた感じでした。
05. ヴァイオリンソナタ3番ホ長調 BWV1016
(喜多、北村)
ヴァイオリニストさんは楽譜と財布を家に忘れてきたそうです。そのため、インエフのPCで楽譜を探し、無料のものを印刷して演奏に臨んだとのこと。これは悔しかったでしょう…
率直に言って、この曲は結構カオス状態でした。喜多直毅のヴァイオリンはもっと美しいはずです。
06. 音楽の捧げもの BWV1079 トリオソナタ
(喜多、北村、翠川)
4楽章ある曲です。ヴァイオリンがフリードリッヒ大王のテーマを奏でると、「おお!」と嬉しくなります。途中、「あれ?」とか「おっと!」という局面もあり、終了しました。
2ndセットは北村さんずっと出番があり大活躍でしたね。


ほぼBWV順にバッハの無伴奏曲を演奏している直毅さん、次はパルティータ1番です。「来年中には」と終演後におっしゃっていました。