もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅無伴奏ヴァイオリン演奏会@木内ギャラリー

1stセットの即興演奏も、2ndセットの楽曲も、とても良かった!
直毅さんには直毅さんの表現したいものが勿論ある訳ですけれど、私(を含めた聴衆)の心の中にあるものを、代わりに表現してもらっているような気持ちにもなりました。
本当にありがとうございました。
バッハに再び取り組むことも、とても嬉しいです。

10月4日
喜多直毅(ヴァイオリン)

01. 即興
演奏前に短く、これから演奏するものについてのMC。
人類が誕生した頃にドレミはなかった。
音楽と呼ばれるものが生まれる前のものをやります、という趣旨だったと記憶しています。

ヴァイオリンと自分の体を使って、様々な音を出すヴァイオリ二スト。楽器のいろいろな部分も使って。
初体験のお客さんは驚くのかもしれませんけれど、とてもおもしろいし、丁寧な即興だったなぁと思います。
悲しい、辛い感情も演奏から(勝手に)受け取りました。その時は、ちょっと泣きそうになりました。
素晴らしい約20分でしたね。
休憩

02. ロスマレアドス
タンゴ曲ですが、譜面通りではなく、いろいろな成分が入ってました。
03. タンゴエチュード 1番 (ピアソラ)
アルバム『HYPERTANGO・2』にも収録されています。新しいアレンジでしたね。
04. Chaconne (バッハ)
全体として、「激動の人生、再生の物語」とでも言うべきか。
今までで一番良かったし、余裕を持って奏でている感じがしたところも沢山ありました。
終盤に近付くと、もっと聴いていたい、終わって欲しくないと思いました。
バッハの無伴奏ヴァイオリン曲を1番から順に断続的に演奏なさっていた時期(2009年5月〜2011年1月で "1周" でした)、私はいくつかのヴァイオリ二ストの録音を聴きました。クレーメル、エネスコ、メニューイン(メニューヒンとも表記されます)が、私の好みです。
今回は敢えて、誰のchaconneも聴かず。この2日ほどは、音楽自体あまり聴かずに、喜多直毅のchaconneを聴いてみる事にしました。何となくそうしたのは、耳を澄まして聴きたかったからだと聴き終わってから思いました。
私はやっぱり左眼の涙腺が緩いようで、少し涙が滲みましたよ。
「この曲はヴァイオリ二ストにとってバイブルのようなもの」「一生弾き続けたいと思います」という言葉が嬉しかった。
アンコール; Chorinho para ele (Hermeto Pascoal)
この譜面を忘れ、忘れて来なかったiPadには半分の譜面しか入っていない状態で、楽しく、ところどころバッハも織りこみながら弾くヴァイオリ二スト。それが喜多直毅さんです。