もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

蓮見昭夫×喜多直毅@cafe TooL BoX

喜多直毅さんがホームページに、静養のため「活動停止」することを掲載したのは一昨日でした。
静養期間は最初「約一年間」となっていましたが、何時間か後に「一年と区切るのは止めました。」と書き直されました。
http://nkita.blog.ocn.ne.jp/naoki_kitas_diary/2012/06/post_ecc8.html


もがき苦しんだ末、やっぱり私は現実派で行くしかない、と心の安全装置にスイッチが入りました。直毅さんのライヴが聞けない期間のことは考えない!
でも、こんな演奏を聞いたら、やっぱり考えてしまった。


6月9日
蓮見昭夫(ギター)
喜多直毅(ヴァイオリン)


3曲続けてギターソロ。
01. Amazing Grace
02. Europa 哀愁のヨーロッパ(Santana)
03. Spain(Chick Corea作曲)
あ、あ、そうでしたか、今日はこういう音楽でしたか…。
と、ちょっと後悔したのも正直なところ。何も悪くはない普通に美しい音楽に、やや挙動不審になってしまった。
04. Cherry Island(蓮見昭夫作曲)
ここからデュオになりました。今日は数分ためらった末に最前列に座ったもので、真正面。ヴァイオリン、良い音だ!
(そうそう、直毅さん譜面を全て忘れてきたそうで、ギター用の譜面をコピーしたものを見ながらの演奏でした。)
蓮見さんの指はがっちりしていて、実に滑らかに動きます。
05. Chorinho pra ele  (Hermeto Pascoal作曲)
初めっからテンポが伸びたり縮んだり、音程が緩くなったりして実に楽しい。最後の速くなる部分はもうムチャクチャな感じでなだれ込んでました。
06. Kebap (蓮見昭夫作曲)


休憩
07. Hommage to Noviembre (蓮見昭夫作曲)
ギターソロ。私は1stセットのソロよりこちらの方がずっと好きです。
08. 即興
ヴァイオリンソロ。蓮見さんのソロの時間(6分何秒か)と同じだけやります、とストップウォッチを作動させての演奏でした。
かすかな音がすごく好き。激しいところも好き。
09. Alfonsina y el Mar アルフォンシーナと海 (Ramirez作曲)
曲の前の直毅さんのMC(震災の津波に流されていく漁師のたくましさ)の影響もあり、このカフェがある東京都小平市ではなく別の世界に引き込まれる。
「おーい、おーい!」と声も出していた。
そしてグッと抑えるところがとても良い。
10. Valse chouette pour une chouette (蓮見昭夫作曲)
11. Choro Primavera (蓮見昭夫作曲)
12. Libertango (Astor Piazzolla作曲)
直毅さん、演奏活動を休むことについて話されてました。休むと決めて見えてきた事があります、とも。
そんな話に続いて、彼のルーツであるタンゴを聞くと、心臓をつかまれてしまった。
アンコール;Contigo en la Distancia 遠く離れていても (Cesar Portillo De La Luz作曲)
さらに、この曲に追い討ちをかけられました。回りに誰もいなければ、声を出して泣きたかった。


このあと喜多直毅さんのライヴは、6月13日(水)、西荻窪・音や金時にてウタウタ(松本泰子、喜多直毅、長谷川友二、和田啓)、14日(木)、大泉学園インエフにてソロ(即興演奏)と続きますね。