もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

うたをさがしてトリオ、ゲスト;ジャン・ローレン・サスポータス@ポレポレ坐

こころに残る一夜でした。


5月19日
うたをさがしてトリオ
齋藤徹(コントラバス)
喜多直毅(ヴァイオリン、朗読)
さとうじゅんこ(うた)
ゲスト;ジャン・ローレン・サスポータス(ダンス)


01. 河の始まり:「エレニの旅」より
横長にステージを取り、左から、ジャンさん、徹さん、じゅんこさん、直毅さん。大勢の観客。
02. クセニティス:「永遠と一日」より
詩人が言葉を買う話。なので、男性二人も何か言葉を言うのですが、今回は徹さんは確か朝露で、直毅さんは夜鳴きウグイスだった。
特にここが、ということではありませんが、実はこのトリオ、人によっては1回目より2回目以降が楽しめるかもしれません。よく聞かないと聞き取れない言葉もあるし、一つの世界なので、ね。
03. 今日は私の日:「永遠と一日」より
ジャンさんが前に出たのはこの曲からでした。彼の手の動きを見ただけで泣きそうになってしまう。全てを包んでもらえるように感じてしまう。
04. コルフーラ・私の花:「永遠と一日」より
05. ああセリム:「永遠と一日」より
この曲かもう一つあとか前か、徹さんが思わず弓を落とした(ように見えた)ところがあったのです。その瞬間、直毅さんも意図して弓を落とした。鋭かった。ここから彼の目に光が点った気がしました。(実際の心理はもちろんご本人しかわかりませんけど。)
06. 目を閉じて:「永遠と一日」より
07. 看守さん:「エレニの旅」より
囚人を表すのに両手首を付けるジャンさん。
08. 霧の中の風景:「霧の中の風景」より
じゅんこさんの台詞から始まります。
途中徹さんの指弾きソロがすごく良かった。
(ここまで全て、詩はテオ・アンゲロプロス監督の映画の台詞。脚本はトニーノ・グエッラ、池澤夏樹訳。齋藤徹作曲。)


全くマイク無しで歌うさとうじゅんこさんの声の伸びやかさはすごい。人間の声の根幹の力ってこういうことかなと思う。


休憩
09.  In Paradisum - Chorus Angelorum 〜O Gloriosa Domina 〜ぐるりおざ(長崎のオラショ)
オラショは、長崎の隠れキリシタンの人たちが、決して見つからないよう、大切に伝承してきたキリスト教の歌です。それを、元になったであろう歌に続けて演奏でした。
ジャンさん「O Gloriosa Domina」では十字架を背負って歩いているようでした。「ぐるりおざ」では日本人の農婦だった。


10. 夕暮れの数え歌(乾千恵作詞、齋藤徹作曲)
11. 舟唄 (乾千恵作詞、齋藤徹作曲)
この曲が終わったあと、直毅さんの譜面台から譜面がハラリと落ちると、ジャンさんが優しく素早く拾ってましたね。
12. ひかり しづけき (乾千恵作詞、齋藤徹作曲)


13. 永訣の朝 (宮沢賢治) 〜14. 星がまたたく(乾千恵作詞、齋藤徹作曲)
15. 風がおもてで呼んでいる(宮沢賢治)〜16. パラム(齋藤徹作曲)
喜多直毅さんの朗読。岩手の言葉で。


17. ありがとういのち Gracias A La Vida (ビオレータ・パラ作詞作曲、高橋悠治訳詩)
アンコール;つばめ La golondrina (ナルシソ・セラデル・セビージャ作詞作曲、青木富美子訳詩、サトウハチロー補作)


弦のピッチがかなり下がっていた部分があったのも事実。隣の席の方の一眼レフのシャッター音が気になったということもあり。(お伝えしたら休憩時間に後方へ移動されました。)
それらがあっても、とても素晴らしかった!


この日のことを書いた徹さんのブログです。
http://blogs.yahoo.co.jp/tetsu_saitoh/archive/2012/05/20