もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

齋藤徹×さとうじゅんこ×喜多直毅@アケタの店

「うたをさがして」トリオです。
嫌な事が何もないライヴだった!
徹さんは恐ろしく過激で素敵で、じゅんこさんは新解釈?も含めてより深い歌で。
直毅さんはこのトリオでこれらの歌を演奏するのがきっと楽しいのだと思う。


9月18日
齋藤徹(コントラバス)
さとうじゅんこ(うた)
喜多直毅(ヴァイオリン、朗読)


前半は、アンゲロプロス監督の映画の台詞(池澤夏樹訳)に徹さんが作曲した作品集。アンゲロプロス物。
私はいまだに映画は見ることが出来ていないのですが、徹さんの解説文を読んだことがあったり、何度かライヴで聞いているので何となくこの世界の雰囲気が感じ取れる。
01. 河の始まり:「エレニの旅」より
02. クセニティス:「永遠と一日」より
じゅんこさんの歌声は本当に滑らかでいて強い。(ナマ音です)
「詩人が言葉を買う」という筋で、男性二人も言葉を発する。直毅さん「ふくいく(馥郁)たる」と言っていた。馥郁って難しい漢字ですね。
03. 今日は私の日:「永遠と一日」より
04. コルフーラ・私の花:「永遠と一日」より
喜多直毅を奇才と言う人もいるが、齋藤徹のことは何と言うのだろうか。
激しくて素敵。つまり自分には決してできないのだが、取っ掛かり部分は見える気がする表現。
05. ああセリム:「永遠と一日」より
追悼の曲。座り直して聞きました。
06. 目を閉じて:「永遠と一日」より
07. 看守さん:「エレニの旅」より
08. 霧の中の風景:「霧の中の風景」より
徹△(「徹さん、かっけェ」)!もちろん直毅さんも。
二つの楽器が弦の端っこギリギリで弾くところまで行って曲が終わった。自然と笑い声が起こる。ああ、楽しい♪
休憩



09. Sekat Macapat ASMARTADANA (インドネシア古謡)
愛を歌った曲ですが、内に秘めた愛です、というじゅんこさんの解説あり。
10. グルリオザ (隠れキリシタンの祈り)
ここから直毅さん椅子から降りて床に座布団敷いて座って演奏でした。楽器はテーブルに横置きして奏でたり。箸を弦に差し込んで響かせたり。
11. Une Jeune Fillette 美しい娘 (作者不詳)
映画「めぐり逢う朝」の曲。美しい。
12. 永訣の朝 (宮沢賢治) 〜13. 星がまたたく(乾千恵作詞、齋藤徹作曲)
賢治の詩を直毅さんが岩手の言葉で朗読し、じゅんこさんはヴォイス。
「あめゆじゅ とてちてけんじゃ」(=あめゆきとってきてください)は死にゆく妹の言葉。そして、最後の1行である「わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ 」にグッと来ました。
14. リンゴ追分(小沢不二夫作詞、米山正夫作曲)
15. 秋田大黒舞(秋田民謡)
もちろん、客席も手拍子で。
アンコール;「風がおもてで呼んでいる」(宮沢賢治)〜「パラム(齋藤徹作曲)」
直毅さん強い調子で朗読。
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風がおもてで呼んでゐる
「さあ起きて
赤いシャッツと
いつものぼろぼろの外套を着て
早くおもてへ出て来るんだ」と
風が交々叫んでゐる
「おれたちはみな
おまへの出るのを迎へるために
おまへのすきなみぞれの粒を
横ぞっぽうに飛ばしてゐる
おまへも早く飛びだして来て
あすこの稜ある巌の上
葉のない黒い林のなかで
うつくしいソプラノをもった
おれたちのなかのひとりと
約束通り結婚しろ」と
繰り返し繰り返し
風がおもてで呼んでゐる
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客席に熊坂るつこさんがいらしてました。


齋藤徹さんのサイトにセットリストと写真が掲載されています。
http://travessia.petit.cc/banana/20110919184113.html
ジャワガムランの曲は「Sekat Macapat ASMARTADANA (インドネシア古謡)」、「風がおもてで呼んでいる」の後に「パラム(齋藤徹作曲)」でした。(訂正しました。)
アケタの店のサイトにも写真が載っています。
http://www11.ocn.ne.jp/~photorec/live_022.htm