もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

「宮沢賢治を踊る・奏でる」ジャン・サスポータス×齋藤徹×喜多直毅@東工大ディジタル多目的ホール

宮沢賢治には、「ほのぼの」「牧歌的」ではなく難解なイメージしか持ってない。読んだことは少しはあるけれど、ファンではない。
なのでちょっと気が引けましたが、出演者が大好きなので行って来ました。


言葉は、ジャンさんの英語と直毅さんの岩手ことばで、後は身体表現と音で表される賢治の詩。
私は口を開け放したまま、疲れた体と今朝から役に立っていない右耳の事は忘れて聞いていました。


素晴らしい!
行って良かった!
心から!


5月23日
ジャン・サスポータス(ダンス・振り付け)
齋藤徹(コントラバス・その他)
喜多直毅(ヴァイオリン・朗読・その他)
※学生さんたちの楽器表現もありました
(銅鑼ほか)


直毅さんが読んだのは、「永訣の朝」、「風がおもてで呼んでいる」。ふるさとの言葉で。


ヴァイオリンのか細い旋律、徹さんの横置きしたコントラバスの音色。
こんな世界を体験したのだ!とふれて回りたいくらい良かったです。


(5月29日追記)
1、「インドラの網」
280名のホール。傾斜のついた客席。やっぱり奏者の近くが良いなと思って、向かって右端の席にしました。(友人が先に確保してくれていました。ありがとうございました!)
2、「原体剣舞連」
ジャンさんは棒を2本持って表現する。ふと、狂言「棒縛り」を見たくなった。
ここまでのプログラムでは言語的なものは何もない。身体表現と音楽のみ。
主催の世界文明センター長ロジャー・パルバースさんの挨拶では、テキストを配布するとそちらを見てしまうので配布はしませんでした、とのこと。
3、「永訣の朝」「無声慟哭」
「けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ…」
と直毅さんが朗読し、隣で徹さんはコントラバスを横置きして弾く。
4、「風がおもてで呼んでいる」「疾中」
こちらの朗読は強い調子だった。
45分くらい。
賢治の詩を選んだのはロジャーさんだそうです。


休憩を挟んで、パネルディスカッション。進行と、ジャンさんの通訳でロジャーさん。そして演じた3人が前に座る。
フロアから間をおかずに手があがっていた。宮沢賢治に関心のある人が多く来る催しだったのだと改めて思った。
このパフォーマンスをやるにあたって、何を大切にしたか、だったか、どういう気持ちでやったかだったか、という質問に対して、
徹さん「震災と原発」、直毅さん「(朗読することが急遽決まり)とにかく必死でした」。