もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅×黒田京子×田辺和弘@インエフ

私の気持ちにぴったり寄り添い、呆気に取られるほど激しくて、でもまた元の旋律にきっちり戻ったり、強く押されて泣きそうになったりする演奏でした。
本編ラストの「ブレヒトとブレルのあいだで」、特に良かったです。
ブレルを紹介する時に、“Ne me quitte pas”(=行かないで)というタイトルを耳にするだけで、何故かジーンとしました。


3月8日
喜多直毅(ヴァイオリン)
黒田京子(ピアノ)
田辺和弘(コントラバス、うた、朗読)


左手に田辺さん、ピアノは少し後ろ、その右に直毅さん立って演奏でした。
01. the road (黒田京子作曲)
今夜でこのトリオは最後、と告知されていますが…勿体ない!
まっすぐ音楽に向き合い、自由に奏でるお三方。
この曲は盲目の巫女さんたちが歩いていく(演劇の?)シーンの為にずっと以前に書いた曲だそうです。
02. 黒いカマキリ 〜Una Santateresa Negra〜(喜多直毅作曲)
アヴァンギャルドと言えばいいのか、激しくそれぞれが演奏を始め、次第にピアノの感じから、あ、これは?と思ったら正解。久し振りの黒いカマキリでした。
一番最後、敢えて?違った風に弾いていたのでしょうか、あのヴァイオリンの旋律は。狂っていておもしろかった。
03. valencia (富樫雅彦作曲)
04. 星空のテーマ(喜多直毅作曲、初演)
うたのようでもあった。冬の星なのかなぁ。
休憩


05. Oblivion オブリビオン (Astor Piazzolla)
コントラバスの音が素敵。
06. Zamba Para Olvidar
メルセデス・ソーサが歌った、フォルクローレ曲を田辺さんが歌います。
07. Alfonsina y el Mar アルフォンシーナと海(Ariel Ramirez)
今まで聴いたアルフォンシーナのなかでも、速くて激しかった。
08. Violin para Hombre 男達の(為の)ヴァイオリン(喜多直毅作曲)
1月に喜多・黒田デュオで初演だった曲ですね。タイトルを聴いても思い出しませんでしたが、曲が始まると、そうだそうだと思い出しました。
3つのシーンになっている様に思いました。
09. Entre Brecht et Brel ブレヒトとブレルのあいだで  (Astor Piazzolla)
田辺さんが詩を朗読して、演奏が始まりました。ピアソラが、イタリアの女性歌手ミルバの為に書いた歌。
美しい。
アンコール;Estrada Branca 白い道 (Antonio Carlos Jobim)
黒田さんが少し詩を読んでから、演奏。



演奏が終わって、いま5時間くらい経ちました。
このところ、刺激の強い音楽をYouTubeで聴きまくっていたのですが、『ちょっと、待った!』と自分で自分を咎める気分です。
何が良くて、何が悪いということではないのですが。