もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅ヴァイオリン独奏@千年一日珈琲焙煎所

前半は即興演奏、後半に6曲。
開演前、寒そうにしてらした様子とは別人のようです。弾けば弾くほど深く、鋭く、そして強烈な光を放つ。
凄い人だ。


12月7日
喜多直毅(ヴァイオリン)


「珈琲焙煎所」という名のカフェを想像していましたが、焙煎の器械、豆の入った容器がまず目に入りました。客席は木の椅子、古本販売の棚が並び、けん玉がいくつか陳列されていて、可愛い子猫が1匹いました。
こちらのマスターと直毅さんは、アルゼンチン時代からの古い友人だそうです。(下宿していた部屋が隣同士だったとのこと)
美味しいコーヒーをいただいてからライヴが始まりました。


01. 即興
約20分。
生きるエネルギーの様な物が、どんどん上昇して行きます。
凄まじい。でも、破滅はして行かない。
来て良かった!と心から思いました。
休憩


02. 死人(喜多直毅作曲)
後半は天井の灯りは消し、横から強くライトの光に照らされた状態での演奏でした。
ヴァイオリンは、木の箱に羊の腸で出来た弦を張り、馬の尻尾の毛の弓で擦る原始的な楽器ととらえていること、8月の「ユーラシアン・エコーズ2」で韓国の伝統楽器奏者と共演して考えたこと、「指に入ったもの(西洋音楽教育)を一度水で洗い流す」、等の話がありました。
「死人」は美しい曲です。ソロでの演奏は初めてだと思います。
03. シャリバリ
ルネサンス期の曲でタイトルはわからないんです、とおっしゃたけれど、今までは「シャリバリ」と言っていたあの曲。
中間部で「主よ、人の望みの喜びよ」が入ったり、マイナーコードの部分をメジャーコードで弾いたり、これら二つの要素が入り混じったり。
独奏で。
素晴らしい!
今夜の会場もすごく良い雰囲気ですが、300席くらいのホールでも聴いてみたい。
04. Marche pour la cérémonie des turcs トルコの儀式のためのマーチ(Lully作曲)
あまり頻繁には演奏されない、私の大好きな曲です。聴くと何故か異常にドキドキします。
今夜は中間でアラブ音楽の流れになり、さらにドキドキしましたよ。
映画「めぐり逢う朝」での演奏シーンはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=ScyTHuKDCFc
05. short music for clarinet solo (喜多直毅作曲)
短い曲なのでふくらませて演奏します、と。
とても久し振りに聴きました。
06. 津軽のふるさと(米山正夫作詞作曲)
日本の歌で締め括りです。ヴァイオリンで歌います。
アンコール;Les Feuilles mortes 枯葉 (Joseph Kosma作曲)
タイトルコールなし。短めのをやります、とMCがあり、始まります。
今夜の曲の中では最も有名な旋律でしょうか。
美しく、ガット弦の音色もとても味わい深かった。
ありがとうございました。